可算名詞の単数形が冠詞 (a, an, the) や人称代名詞の所有格 (my, your, his など)、指示代名詞 (this, that)、限定辞と呼ばれる some (いくつかの), any (どんな…でも), each (各自の), every (すべての) などの語句を伴わずに、単独で使われることはありません。日本語には冠詞という品詞がないの、理解するのが難しいかもしれません。ですから、冠詞の種類と使い方を説明したいと思います。
冠詞とは一体なんなのか?
英語で名詞の前に置かれている ‘a‘, ‘an‘ と ‘the‘は「冠詞」と呼ばれるものです。限定詞と言うのがなんだと分かりますか?限定詞 (determiner) とは、名詞や名詞句を修飾する語の一種であります。
- his car (彼の車) – 所有者を限定 [所有格]
- that car (あの車) – 位置・場所を限定 [指示詞]
- two cars (2台の車) – 台数を限定 [数字]
- some cars (何台かの車) – 台数を限定 [数量詞]
- a car (無作為に選んだ1台の車) – 無作為に一つだけ選ばれたものの限定 [不定冠詞]
- the car (話し手も聞き手も共通認識がある車) – 共通認識があることを確認 [定冠詞]
限定詞は名詞の意味をより具体的に、明確に、限定してくれる働きがあるのです。可算名詞の単数形は単独で、こんな限定詞なしで使うことができません。では、冠詞の種類とルールをお見せします!
種類 | 冠詞 | ルール | 例 |
---|---|---|---|
定冠詞 | the | • 子音で始まる名詞 • 母音で始まる名詞 | the boy, the car the animal, the example |
不定冠詞 | a | • 子音で始まる名詞 • 頭文字が子音の発音をする名詞に | a boy, a car |
an | • 母音で始まる名詞 • 頭文字が母音の発音をする名詞に付ける | an animal, an example |
では、冠詞の使い方をお見せします!
the の使い方 (定冠詞)
特定の対象を指す冠詞は「定冠詞」と呼ばれます。the は 定冠詞 (definite article) であります。例えば、I bought the computer の場合は、私が買った特定のパソコンを指しているのです。名詞の前に定冠詞 the が付くのは、主に以下の名詞です。
- 文章や会話の中にすでに一度登場している名詞
- 常識的に世界に1つしかないものを表す名詞
- 海洋、海峡、河川、運河、山脈、砂漠などの一部の固有名詞
定冠詞は次のような場合に使われます。
1.) 独特の人や物、みんなが知しっている物を言及する時には the を使います。
- The morning sun is so bright that I can’t see it.
朝の太陽はとても明るいので、見ることができない。 - The world is so beautiful.
世界はとても美しいよ。 - Can you open the door for me?
ドアを開けてくれる? - Isn’t the weather great today?
今日の天気も最高じゃない?
2.) 既に述べた何かを再び言及する時には the を使います。
- A. I watched a Korean drama last night.
昨日の夜、韓国のドラマを見たんだ
B. The movie was really interesting!
ドラマは本当に面白かったよ! - A. I bought a new computer.
新しいパソコンを買った。
B. The computer is a Macbook.
パソコンはマックブックだ。
3.) 最上級や序数詞に the を使います。
- Tokyo is the largest city in Japan.
東京は日本最大の都市です。 - This is the most important thing.
これが一番重要です。 - This is the cheapest store in town.
ここは街で一番安い店だ
4.) 地理的地域、河川、山脈、諸島、運河や海洋の名前に the を使います。
- the United States
アメリカ - the United Kingdom
英国 - the Netherlands
オランダ - the Pacific Ocean
太平洋
5.) the は複数の意味を持つ集合名詞の前によく使われます。
- the nation
国民たち - the audience
聴衆たち - the majority
多数派 - the team
(この, 私たちの) チーム
では、不定冠詞の使い方をお見せしましょうか?
a/an の使い方 (不定冠詞)
特定の対象を指さない冠詞は「不定冠詞」と呼ばれます。a, an は 不定冠詞 (indefinite article) であります。前に不定冠詞 a や an が付くのは、主に以下の名詞です。
- 不特定多数のものの中の1つを指す名詞
- 単数形で、会話の中で初めて話題に上がる名詞
不定冠詞は次のような場合に使われます。
1.) 不特定多数の物の中の1つを指す時には a/an を使います。
- Let’s take a taxi.
タクシーに乗ろうよ。 - Do you have a computer?
パソコンがある? - Can I buy a cake to take home with me?
ケーキは買って帰れますか?
2.) 会話の中で、初めてふれる話題を話す時には a/an を使います。
- I watched a Korean drama last night.
昨日の夜、韓国のドラマを見たんだ - I bought a new computer!
新しいパソコンを買った! - How about we go to a cafe?
カフェに行くのはどう?
3.) a/an は「一つ」という言葉の代わりに使われます。
- I brought a present.
プレゼントを持ってきました。 - I have a pen.
僕はペンを持っている。 - We still have an hour left before lunch.
お昼まで後1時間もあるよ。
4.) 名詞を使う時に、どれか1つに特定しなくてもいい場合はよくあります。
- Would you lend me a pen?
ペンを貸していただけますか? - Could I have a beer please?
ビールを1つください
5.) a/an はグループで特定の1つを話す時にも使われます。
- He is a teacher.
彼は先生です。 - It’s a really beautiful city.
本当に美しい都市です! - That computer is a really good computer.
そのコンピュータは本当に良いコンピュータです。
冠詞の位置
冠詞は名詞の前に置かれるのが原則ですが、名詞の前に形容詞または副詞がくる時は、そのすべての語の先頭におかれます。いくつかの例文をお見せします。
- He is a teacher. (冠詞 + 名詞)
彼は教師です。 - He is a kind teacher. (冠詞 + 形容詞 + 名詞)
彼は優しい先生です。 - He is a very kind teacher. (冠詞 + 副詞 + 形容詞 + 名詞)
彼はとても優しい先生です。 - It’s a book. (冠詞 + 名詞)
本です。 - It’s an interesting book. (冠詞 + 形容詞 + 名詞)
面白い本です - It’s a really interesting book. (冠詞 + 副詞 + 形容詞 + 名詞)
本当に面白い本ですよ。
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