直訳すると「部屋の中の象」と言う意味になりますが、elephant in the room は、誰もが明らかに知っている、または気づいている大きな問題や障害があるにもかかわらず、誰もそれについて触れようとしない、または避けようとする状況を指します。言い換えると「皆が無視している大問題」という意味です。イディオム (慣用句) ですね。
部屋に象がいるとしたら、それはあまりにも目立ちすぎて誰もが気づくはずですが、それを誰も話さない、まるで象がいないかのように振る舞うという状況を表しています。このイディオムの「象」は「大きな問題」や「誰も話したがらない問題」を指しますよね。この表現は次のような表現でよく使われます。
- Let’s talk about the elephant in the room.
今、皆が避けている問題について話しましょう。 - We need to address the elephant in the room.
皆が避けている問題に対処する必要がありますよね。 - No one wants to talk about the elephant in the room.
誰もその問題について話したがらない。
この表現は、特に会話や会議の中で、ある問題が解決されるべきであるのに誰もその問題に触れたがらない、または避けている場合に使われます。例えば、何か不快な事実や難しい問題が明らかに存在しているのに、それについて話すことを避ける状況です。ビジネスや人間関係においてよく見られる、微妙な問題を取り上げるときに使われることが多いです。では、3つの使い方と状況を考えてみましょう。
elephant in the room の使い方
ビジネス会議で話し合われるべき重要な問題があるのに、誰もその問題に触れたがらないときはこのフレーズがよく使われます。人間関係においても、たとえ家族や友人との会話で、避けたい話題がある場合に使われるし、話しにくい政治や社会的問題がある時にもよく使われます。いくつかの状況を考えてみましょう。
1. 重大な問題を指摘する場合
elephant in the room を使うときは、無視されている問題を指摘したいときに使います。特に、誰もその問題に触れようとしない状況に対して注意を促す表現です。
A: This meeting isn’t getting anywhere.
この会議、全然進んでいないね。
B: Actually, the big issue—the fact that the company’s financial situation is getting worse—is something no one wants to bring up. That’s the elephant in the room right now.
実は、あの大きな問題—会社の経済状況が悪化しているって話、誰も触れたくないんだよね。それが今の『部屋の中の象』なんだ。
2. 不快な話題を避ける人たちに対して
何か不快な話題を避けているとき、または誰かがその話題に触れようとしない場合、elephant in the room を使ってそのことを指摘できます。
A: Everyone’s avoiding talking about James’ recent mistake. I wonder why?
皆、ジェームスの最近のミスについて何も言わないけど、どうしてだろう?
B: That’s the elephant in the room. No one wants to talk about it.
それがまさに『部屋の中の象』だよね。誰もその話をしたくないんだ。
3. あえて問題に触れた後に使う
意図的に無視されている問題に言及した後に、elephant in the room を使うことで、その問題がいかに大きいかを強調することができます。
A: Everyone’s staying quiet about the delay in this project. I wonder why?
みんな、このプロジェクトの遅れについて黙っているけど、どうしてだろう?
B: That’s exactly the elephant in the room right now.
それがまさに、今『部屋の中にいる象』だよね。
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