「Literally」は、英語でよく使われる言葉ですが、ネイティブの中にも正しい使い方を分からない人が結構多いです。日本語で「文字通り」「そのまま」という意味で使われることが多いですが、他の意味としても使われるケースがあります。今回のレッスンでは、「literally」の正しい使い方と使わない方がいい場合もお教えします。
「Literally」の基本的な意味
「Literally」の基本的な意味は「文字通り」というものです。何かがそのままの形で、誇張なく、あるいは比喩的な意味ではなく、実際の意味で使われていることを示す時に使います。英語の辞書で次のように説明されます。
The word “literally” means exactly as stated.
「literally」という言葉は、文字通り述べられている通りの意味です。
この場合、「literally」は、言葉や表現が実際にどういう意味で使われているか、誤解のないように強調するために使われます。特に若い人の中には、literally を正しくつかない人が結構多いですから、literally を使った方が良い場合と使わなかった方が良い場合をお見せします。
「Literally」の正しい使い方
「literally」は、何かが「本当にそのままの意味で」起こったり存在したりする場合に使います。何かが誇張や比喩なしに事実そのものであることを強調します。例えば:
- I literally ran five miles this morning.
私は今朝、文字通り5マイル走った。
解説: この文では、「literally」は、5マイルを実際に走ったことを強調しています。誇張なし、実際に5マイルを走ったという事実を伝えています。
- The book is literally 1,000 pages long.
その本は文字通り1,000ページの長さです。
解説: 「literally」を使うことで、ページ数が実際に1,000ページであることを強調しています。ここでは誇張や比喩ではなく、数字通りの事実を伝えています。
- The mountain was literally covered in snow.
その山は文字通り雪に覆われていた。
解説: 「literally」を使うことで、雪で覆われている状態が実際に起こったことを強調しています。雪が全くないわけではなく、実際に山全体が雪に覆われていた事実を伝えています。
- I am literally starving right now.
今、私は文字通りお腹がすいています。
解説: ここで「literally」を使うことで、お腹が空きすぎて実際に体調が悪くなるほどであることを強調しています。誇張ではなく、実際に空腹であることを伝えています。
- I literally saw her yesterday.
私は文字通り昨日、彼女を見た。
解説: 「literally」を使って、昨日実際に彼女を見たことを強調しています。誇張や比喩ではなく、単に事実を述べています。
強調のために誇張して使う(カジュアルな使い方)
「Literally」は、本来は「文字通り」の意味で使う言葉ですが、近年、特に若い世代の間では、誇張や強調のために使うことが増えています。多くの若い人は、「literally」を「figuratively (比喩的に)」の意味で使うことがあります。例えば「I am literally dying of laughter」(笑いすぎて文字通り死にそうだ)という表現がありますが、この使い方は技術的には誤用です。
論争の背景と意味の変化
「Literally」の意味が誤用されることに対しては、言語学者や文法の専門家の間でも議論があります。伝統的な意味では、「literally」は実際に起こったことを指し、誇張ではなく文字通りの意味で使うべきとされています。しかし、現代のカジュアルな会話では、強調や誇張のために使われることが一般的になり、その結果、言葉の意味が少しずつ変化してきています。
- I am literally dying of laughter.
笑いすぎて文字通り死にそうだ。
解説: ここでは、実際に死んでいるわけではなく、笑いすぎて非常に楽しんでいることを強調するために「literally」を使っています。このような使い方は、伝統的な意味に従うと誤用ですが、多くの若者の間で受け入れられている使い方となっています。
- This party is literally the best night of my life.
このパーティーは文字通り今までで最高の夜だ。
解説: ここでも、「literally」は誇張のために使われています。パーティーが本当に今までの最高の夜だったとしても、言葉の使い方としては誇張です。実際に「文字通り最高の夜」ということではなく、その楽しさを強調するための表現です。
- I literally can’t even.
もう本当に無理。
解説: こちらも誇張表現です。「I can’t even」という言葉自体がカジュアルなスラングですが、「literally」が加わることで、感情の極端さや困惑を強調しています。ここでの「literally」は、実際に無理だという意味ではなく、単に非常に困惑しているという感情を表現しています。
このように、「literally」が誇張や強調のために使われるケースは増えており、本来の意味(実際にそうであること)から離れてきています。そのため、言葉の意味が変わりつつあり、正式な文法では誤用とされるものの、カジュアルな会話では広く使われているという現象が起きています。多くの言語学者や辞書では、この使い方を「誤用」として扱っていますが、現代英語の中では、このような使い方がよくあります。個人的には「文字通り」の意味だけで使った方がいいだと思います。
「Literally」を使わない方が良い場合
「Literally」は強調のために便利な言葉ですが、使う場面を誤ると、誤解を招いたり、文法的に不自然になることがあります。特に、以下のような状況では、「literally」を使わない方が良い場合が多いです。
例 1: 誇張や比喩的表現で使う場合
- I’m literally so tired I can’t even keep my eyes open.
目を開けていられないほど本当に疲れている。
解説: この場合、「literally」を使うと、目を完全に閉じて動けないほど本当に疲れているかのように聞こえます。しかし、実際には誇張しているだけで、文字通り疲れているわけではないため、この表現は不自然です。代わりに「I’m so tired I can’t even keep my eyes open」など、誇張を含んだ表現にした方が自然です。
例 2: 明らかに比喩的な意味で使う場合
- I literally have a million things to do today.
今日は本当に100万のことをしなければならない。
解説:「literally」が使われていますが、「100万のことをする」というのは比喩的な表現であり、実際に100万の用事があるわけではありません。この場合、「literally」を使わずに、単に誇張していることを伝える方が適切です。「I have a million things to do today」と言った方が自然です。
例 3: 実際に起こっていないことを強調する場合
- I literally saw him fly through the air.
文字通り彼が空を飛んでいるのを見た。
解説: もし「literally」を使って「空を飛ぶ」という現象を強調する場合、それが実際に起こったわけではない場合には不適切です。実際には人が空を飛ぶことはありえませんから、この場合は誇張のために「literally」を使わずに、「I saw him jump really high」や「I saw him fly through the air, almost like he was flying」といった表現にした方が自然です。
例 4: 客観的に事実を述べる場合
- She literally is the best singer in the world.
彼女は文字通り世界で一番歌が上手い。
解説: 「literally」を使っていることで、彼女が実際に世界で一番の歌手であることを強調していますが、これが誇張である場合、適切ではありません。実際に世界一の歌手が誰かを決めることは非常に主観的で、「literally」を使うと過度な強調となりすぎる可能性があります。この場合は、「She is the best singer I know」など、より控えめな表現にする方が適切です。
例 5: 抽象的な概念や感情に使う場合
- I’m literally in love with this movie.
この映画に文字通り恋している。
解説: 感情や抽象的な概念に「literally」を使うと、実際に恋愛感情を抱いているわけではないことを説明するのが難しくなります。映画に対して愛情を感じることはあっても、「literal」の意味にはそぐわないため、「I’m in love with this movie」や「I absolutely love this movie」と表現する方が自然です。
例 6: 物理的に不可能な状況で使う場合
- The car literally exploded when it hit the wall.
車は壁にぶつかったときに文字通り爆発した。
解説: 車が壁にぶつかって爆発するのは物理的には非常に稀であり、このような状況では、「literally」を使って強調することは誤解を招きやすいです。車が壊れた、または衝撃で壊れたことを強調する方が自然です。「The car exploded when it hit the wall」や「The car was severely damaged when it hit the wall」などが適切です。
例 7: 誤った認識で使う場合
- I literally lost my mind when I heard the news.
ニュースを聞いて文字通り気が狂った。
解説: この表現では、「literally」を使って極端な反応を強調していますが、実際に「気が狂う」わけではなく、単に非常に驚いたり、ショックを受けたということです。誇張のために「literally」を使うのは避け、「I was in complete shock when I heard the news」や「I couldn’t believe it when I heard the news」などにする方が適切です。
まとめ
「Literally」は強調のために便利な言葉ですが、本来の意味を誤って使用すると、誤解を招いたり、文法的に不自然に感じられることがあります。特に、誇張表現や比喩的な意味を含む場合、「literally」を使わずに表現する方が適切です。誤用を避けるために、「literally」を使う場面を慎重に選び、正しいコンテクストで使用することが大切です。
コメントする
コメントを投稿するにはログインしてください。